トランプ氏は5日、激戦州の東部ペンシルベニア州バトラーにある会場で選挙集会を開きました。

この会場はトランプ氏がことし7月、選挙演説中に銃撃され右の耳にけがをした場所です。

トランプ氏は演説で「銃撃が起きた恐ろしい16秒間、時間が止まったようだった。しかしその目的は達成されなかった。アメリカを貧困や憎悪、破壊の悪から救おうとするわれわれの決意を揺るがすことはできなかった」と述べ、暴力に屈しない姿勢を強調しました。

そのうえで、銃撃された直後に支持者に呼びかけた「ファイト、ファイト」というフレーズを集会の参加者とともに繰り返しました。

アメリカ大統領選挙の投票日まで1か月となるなか、トランプ氏は強いリーダー像を強調することで大統領選挙の勝敗を左右するとされる激戦州での支持の拡大につなげるねらいがあるとみられます。

イーロン・マスク氏もステージに

また集会ではトランプ氏への支持を表明している実業家のイーロン・マスク氏もステージに上がり、「有権者登録をすることがとても重要だ。知り合いにメッセージを送って投票するよう伝えて欲しい」と述べ、トランプ氏への投票を呼びかけました。

演説10時間以上前から支持者たちが長い列

トランプ氏が再び集会を行ったバトラーの会場の前には、演説が始まる10時間以上前の午前7時すぎから、支持者たちが長い列を作っていました。

並んでいた人たちは「ファイト、ファイト」などと大きな声をあげ、雰囲気を盛り上げていました。

54歳の女性は、トランプ氏を支持する理由について、「第一に国境の管理をして地域を安全にし、この国から犯罪をなくしてくれる」と話した上で、「この場にトランプ氏が戻ってくるのはすばらしいことで、彼が恐れていないことを知らしめる」と話していました。

オハイオ州から訪れたという30歳の男性は「トランプ氏が悲劇からどのように立ち直ったのか見たくて来た。2人の候補者のうちトランプ氏の方がより誠実な政治家でアメリカ人を支えてくれる」と話していました。

銃撃事件があった7月の集会にも参加したという地元の32歳の支持者は「トランプ氏が拳を上げてステージを降りるとき、彼が無事であることだけが気がかりだった。この国が経験したことがないことを彼が体現していたからだ」と振り返った上で、「今回の集会はバトラーでこれまでで最も大きなイベントになるだろう」と話していました。

会場の近くでは、多くの警察官があたりを警戒していたほか、周辺の建物の上にはスナイパーが配置されるなど厳重な警備が敷かれていました。

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