▼中国製EV 中国は国をあげて電気自動車(EV)シフトを進めている。習近平(シー・ジンピン)指導部が外国に頼らない供給網の構築に取り組むなか、技術面の開きが少なくキャッチアップが容易なEVに着目したとされる。中国が新エネルギー車(NEV)と呼ぶ、プラグインハイブリッド車などを含むベースでは2024年1〜8月の生産台数が700万台を超えた。
NEV向けの補助金や減税、自動車メーカーに一定比率のNEV製造を義務づける制度も普及を後押しした。NEVの生産台数は24年通年では1000万台の大台に達する可能性が高い。だが、新興勢を含む中国メーカーが一斉に生産設備の増強に踏み切った結果、過剰な生産能力を抱え込むことになった。
英調査会社のグローバルデータによると、中国の23年の自動車生産能力は4870万台にのぼる。輸出を含めた販売は3000万台ほどだ。中国国家統計局のデータでは自動車産業全体の設備稼働率が24年4〜6月で73.0%にとどまり、一般に採算ラインといわれる80%を下回る。太陽光や液晶パネルで起きたような安値輸出が市場を脅かす事態を欧米は警戒する。
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