【NQNニューヨーク=稲場三奈】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比162ドル05セント安の4万1994ドル92セントで推移している。イスラエルとイランを巡る地政学リスクへの懸念が引き続き相場の重荷となっている。売り一巡後は主力株の一部に買いが入り、ダウ平均は小幅な上昇に転じる場面がある。
前日にイランがイスラエルに向けてミサイルを発射した。イランのアラグチ外相は2日、「軍事施設の一部のみを標的にした」と語ったが、イスラエルによる報復への警戒は根強い。市場では「地域的な衝突が激化するとの懸念がある」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との声が聞かれる。米国では東海岸などの港湾労働者がストライキに突入した。目先の不透明感が高まっており、リスク回避の売りが出やすい。
朝発表の9月のADP全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月比14万3000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(12万8000人増)を上回った。米労働市場の底堅さが意識され、米債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)し、株価を下押ししている面もある。
ダウ平均の構成銘柄ではナイキが一時9%安と急落している。前日夕発表の2024年6〜8月期決算で売上高が市場予想に届かなかったうえ、9〜11月期の見通しも市場予想を下回った。投資家向け説明会を延期し、25年5月期通期の収益予想を取り下げたことも売り材料となっている。
そのほかではメルクやアップル、マイクロソフトなどが安い。一方、ユナイテッドヘルス・グループやJPモルガン・チェース、ダウが上昇している。中東情勢の悪化懸念から原油価格が上昇し、シェブロンも高い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続落して始まった。朝方に24年7〜9月期の販売台数を発表したテスラは売られている。
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