【西帰浦=共同】日中韓の環境相会合は29日、韓国南部済州島の西帰浦で全体会合を開いた。日本からは伊藤信太郎環境相が出席。中国の黄潤秋生態環境相、韓国の金琓燮環境相と、世界的に深刻化するプラスチックごみ汚染など環境問題での協力を協議し、共同声明を採択した。
会談では黄氏が東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に触れ、モニタリングの徹底などを要求。伊藤氏は、中国が今も「核汚染水」との表現を使っているとして遺憾を表明し、処理水は「十分に浄化、希釈され人や環境への影響はない」と反論した。
プラごみ問題を巡っては、汚染を規制する条約案の合意を目指す政府間交渉委員会が11〜12月に韓国で開かれるのを前に協力を確認。伊藤氏は「大量消費国、排出国を含む多くの国が参加する効果的な条約を目指している」と述べた。
日中韓がプラごみを含む8分野で取り組む施策を盛り込んだ2021〜25年の行動計画の改定に向けた大枠の協議も進める。
環境相会合初日の28日には日中、日韓の個別会談を開いた。
環境相会合は1999年に始まり、新型コロナウイルス禍を受けて開催が見送られた2020年を除き、毎年開催されている。今年は25回目となった。
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