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“ヒズボラ本部を空爆” イスラエル軍 指導者ねらったとの報道も
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イスラエル国連大使“悪人たちが新たな攻撃を企てていた”
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“ヒズボラ本部を空爆” イスラエル軍 指導者ねらったとの報道も
イスラエル軍は27日、レバノンの首都ベイルート郊外でヒズボラの本部だとする場所を空爆したと発表しました。
ロイター通信が空爆の様子だとして伝えた映像では、爆発音とともに大きな炎が見え、巨大な黒い煙が空高く立ちのぼっています。
イスラエルのメディアなどは、空爆はヒズボラの最高指導者ナスララ師をねらったものだと伝えていますが、詳細は分かっていないとしています。
これに先立ち、イスラエル軍はレバノン南部にあるヒズボラのロケット弾の発射台や武器庫なども空爆したと発表していて、レバノン保健省によりますと、一連の空爆で少なくとも27人が死亡したということです。
このほか、イスラエル軍は北部に予備役の2つの旅団を追加で配置したことも明らかにし、地上作戦の可能性についても言及する中、戦闘の激化が懸念されています。
イスラエル国連大使“悪人たちが新たな攻撃を企てていた”
イスラエル軍がヒズボラの本部だとする場所を空爆したと発表したことについてイスラエルのダノン国連大使は記者団に対し「現段階で私が言えるのは悪人たちが会議を開き、イスラエルに対する新たな攻撃を企てていた。それを出来ないようにしたということだ」と述べました。
また最高指導者のナスララ師が標的だったかどうかについては「彼がその会議に出席していたか私は確認できない。ただ私が悪人について話すとき、彼はその1人だ」と述べ、否定はしませんでした。
そして「ヒズボラは意図的にベイルートの住宅地の地下に本部を建設した。彼らはレバノンの民間人を人間の盾として使った」と述べ、民間人を巻き込みかねない攻撃を正当化しました。
一方、アメリカなどが21日間の停戦を呼びかけていることについては「外交を試みている人々の努力を評価する」と述べましたが、レバノン南部からヒズボラを追い出すという目標の達成が条件だとしました。
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イスラエル首相 国連演説で停戦応じる姿勢見せず 抗議の退席も
ニューヨークを訪れているイスラエルのネタニヤフ首相は27日、国連総会で演説しました。
この中で、隣国レバノンのヒズボラに対する連日の攻撃については「ヒズボラが戦争の道を選ぶ限り、イスラエルに選択肢はない。この脅威を取り除き、市民が安心して家に帰れるようにする権利があり、それを実行している」と述べ、アメリカなどが呼びかけている停戦に応じる姿勢は見せませんでした。
また、ガザ地区で4万人を超える死者を出しているイスラム組織ハマスとの戦闘についても「ハマスは再び武装し、イスラエルを何度も攻撃するだろう。だからハマスは消えなければならない」と述べ、軍事作戦の継続を正当化しました。
さらに、ヒズボラやハマスの後ろ盾となっている、イランへの批判に多くの時間を割き「われわれを攻撃するならわれわれも攻撃する」とイランを強くけん制しました。
一方、議場では、ネタニヤフ首相の演説が始まると、出席していた各国の代表が次々と席を立って議場を離れ、イスラエルへの抗議の意を示しました。
また、ネタニヤフ首相の前に演説したスロベニアのゴロブ首相が、演台をたたきながら「ネタニヤフ首相、この戦争をいますぐやめろ」と訴えると、議場から大きな拍手が沸き起こる場面もありました。
レバノンやシリアの人道状況の悪化も懸念
攻撃の応酬が激しさを増す中、レバノン国内では住まいを追われる人が急増していて、この中には内戦が続く隣国シリアからレバノンに避難してきていた人たちも含まれています。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所の担当者は27日「この72時間に推定3万人以上がレバノンからシリアに入国し、75%から80%がシリア人だ」と明らかにし、戦闘の激化とともにレバノンやシリアの人道状況の悪化も懸念されています。
レバノン首都で避難者向けの炊き出し
中東レバノンでは9月23日から続く、イスラエル軍による南部などへの大規模な攻撃で、多くの市民が避難生活を余儀なくされています。国連はこれまでに10万人が避難したとしていますが、そもそも財政難に直面しているレバノン政府は、避難者に対する食料支援などを十分に行えていないのが実情です。
こうした中、首都ベイルートでは大規模な攻撃が始まった直後から市民団体のボランティアによる避難者向けの炊き出しが行われています。27日はトマトソースのパスタやくだものなどが入った弁当、およそ1500食がベイルート周辺の避難所に届けられました。
保育園に設置された避難所で弁当を受け取った男性は「ここに避難してきてからは多くの人たちに支えられ、食事も提供してもらえて感謝している。一刻も早く戦闘が終わって、故郷に帰れることを願っている」と話していました。
また、子どもと一緒に避難してきたという女性は「着のみ着のままで避難してきて、食事もとれなかったので子どもたちはおなかをすかせていた。食事などを提供してくれるベイルートの人々に感謝している」と話していました。
団体の担当者は「レバノン各地からボランティアが集まっている。炊き出しでは郷土料理など故郷でのすてきな記憶を思い出せる料理を提供している。いまは厳しい状況が続いているが、早く戦闘が終わってほしい」と話していました。
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