イスラエル軍 ヒズボラに大規模な空爆
イスラエル軍は23日、レバノン南部などでヒズボラの標的およそ1600か所を空爆し、ヒズボラが保有する長い射程のミサイルやロケット弾、それに無人機を破壊したと発表し、これらの兵器は民家に隠され、イスラエルに向けて発射されるものだったと主張しています。
ネタニヤフ首相はレバノン市民に向けたビデオ声明を出し「戦闘の相手はあなたたちではなくヒズボラだ。ヒズボラは『人間の盾』としてあなたたちを使ってきた」と述べ、ヒズボラの兵器が身近にある場合は避難するよう呼びかけました。
イスラエル軍による23日の空爆で、レバノン保健省によりますと女性58人と子ども35人を含む合わせて492人が死亡しました。
これに対し、ヒズボラは23日、イスラエル北部などにあるイスラエル軍や軍需産業の施設を攻撃したと発表し、イスラエルメディアによりますと、およそ180発のロケット弾が発射されましたが、大けがをした人などの情報は伝えられていません。
アメリカはさらなる地域紛争へと発展するおそれがあるとして、緊張緩和に向けて外交的な働きかけを続けるとしています。
イラン大統領「戦争は望んでいない」
イランのペゼシュキアン大統領は23日、ニューヨークで記者会見し、レバノンのヒズボラがイスラエルと激しい戦闘を行っていることへの対応をめぐり「イランは中東の不安定要因になるつもりはなく、戦争は望んでいない。全面的な紛争を仕掛けているのはイスラエルだ」と述べました。
イランはヒズボラの後ろ盾となっていて、出方が注目されます。
その一方で、ことし7月、イランを訪問中だったイスラム組織ハマスの最高幹部が殺害されたことについてはイスラエルの犯行だとして、「報いを受けずには済まされない。適切な場所で適切な時期に対処する」と述べ、この問題についてはイスラエルに報復を行う考えを改めて示しました。
また、ペゼシュキアン大統領は国連本部で開かれた「未来サミット」で演説し、イスラエル軍によるガザ地区での軍事作戦で多数の女性や子どもが犠牲になっていることに関連し、「国家によるテロで女性や子どもが標的にされる世界ではどんな文書を採択しても平和を約束できない」として、イスラエルを厳しく非難しました。
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