ショルツ首相が率いるSPDは第1党を死守もAfDと接戦に=ロイター

【ベルリン=南毅郎】旧東ドイツ地域のブランデンブルク州で22日投開票された州議会選挙は、極右ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が支持を大きく伸ばした。ショルツ首相が率いる中道左派のドイツ社会民主党(SPD)は第1党を死守したものの接戦となった。

先立って1日に実施した東部チューリンゲン州の州議選では、AfDが極右政党として第2次世界大戦後で初めて州議会レベルで第1党になっていた。同じく東部で1日にあったザクセン州議選でもAfDは首位と僅差の接戦だった。

ブランデンブルク州はベルリンを囲むように位置し、東側の地域はポーランドと国境を接する。州都はポツダムで全体の人口は250万人ほどだ。1990年の東西ドイツの統一以降はSPDが第1党を維持してきた。

暫定の開票結果によると、政党別の得票率はAfDが29.2%と前回2019年の選挙から5.7ポイント伸ばした。第1党はSPDで30.9%と支持を4.7ポイント広げて死守したものの、AfDの勢いに押されて薄氷だった。

1月に発足した左派新党の「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」は13.5%と第3党に浮上した。国政最大野党で中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は12.1%と3.5ポイント落とした。

国政で連立政権を組む環境政党「緑の党」は4.1%で6.6ポイント減、リベラル系の自由民主党(FDP)は1%程度でいずれも議席を獲得できなかった。

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