ハイチではギャングによる治安悪化が深刻だ(25日、首都ポルトープランス郊外)=ロイター

【サンパウロ=共同】治安が悪化するハイチで25日、政権移行に向けた評議会が正式に発足し、アンリ首相の辞任を承認した。後任の暫定首相には、アンリ政権で経済・財務相を務めていたミシェル・パトリック・ボワベール氏が就いた。AP通信などが報じた。

ハイチは大統領が暗殺されて不在。評議会は、2026年2月までに選挙で決める新大統領に権限を移す。治安回復や選挙実施、政治や経済の安定など山積している課題に取り組むことになる。

今年3月11日、カリブ海諸国の地域共同体「カリブ共同体」(カリコム)が評議会の設置を決定。首相を務めていたアンリ氏は同日に辞意を表明した。

ハイチでは、21年にモイーズ大統領が武装集団に暗殺されて以降、政情不安が急拡大。ギャングが首都ポルトープランスの8割を支配しているとされ、経済や物流が混乱。国際的な支援も行き届かず、国連によると人口の半数近い約500万人が深刻な食料不安に陥っている。

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