ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=横内理恵】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比30ドル35セント高の4万0892ドル06セントで推移している。前日はエヌビディアなど半導体やハイテク株への見直し買いで指数が上昇に転じて終えており、主力株への物色が続くとの期待がある。半面、米景気の先行き不透明感は根強く、ダウ平均は下落に転じる場面がある。

12日朝発表の8月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。週間の米新規失業保険申請件数は23万件と前の週から小幅に増え、市場予想(22万5000件)も上回ったが引き続き低い水準だった。

11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)のエネルギーと食品を除くコア指数が市場予想を上回り、市場では米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ幅を0.25%にとどめるとの観測が強まっている。金融緩和が米経済を支えるとの見方がある一方、FRBが政策で後手に回るとの懸念もくすぶっている。

ダウ平均ではアメリカン・エキスプレスやホーム・デポなど消費関連の一角が上昇している。セールスフォースやスリーエムなども上げている。一方、インテルやアップル、ユナイテッドヘルス・グループが安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。研究開発費の削減計画を明らかにしたバイオ製薬のモデルナが急落。アナリストが投資判断を引き下げた半導体のマイクロン・テクノロジーも大幅安で始まった。エヌビディアは高く推移する場面が目立つ。11日の会合でジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)関連の半導体需要の強さを改めて強調し、株価は前日に8%上昇していた。

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