【NQNニューヨーク=稲場三奈】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比124ドル75セント高の4万0861ドル71セント(速報値)で終えた。朝発表の8月の米消費者物価指数(CPI)を受け、米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退した。午前には700ドル安となる場面があったものの、売り一巡後はハイテク株に買いが入り、下げ幅を縮小。ダウ平均は上昇して終えた。

8月の米CPIは前月比で0.2%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想に一致した。エネルギー・食品を除くコア指数は同0.3%上昇と、市場予想(0.2%上昇)を上回った。コア指数の前年同月比の上昇率は3.2%と、7月や市場予想と同じだった。市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBの利下げ幅が0.25%になるとの見方が広がった。

10日夜開催の米大統領選の候補者討論会では、民主党候補のハリス副大統領が共和党候補のトランプ前大統領に対して優位に進めたとの指摘が多かった。ただ、これまでの世論調査では両者の支持率が拮抗している。大統領選を巡る不透明感は引き続き根強く、株の買い手控えにつながる場面もあった。

主力株への売りが一巡した後、ダウ平均は下げ幅を縮小し、午後には上昇に転じた。「CPIを受けて売りが膨らんだが、短期的に下げが目立っているハイテク株を中心に買いが入った」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方があった。

ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトが上昇。アメリカン・エキスプレスやIBM、インテルも買われた。半面、トラベラーズやユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は下落した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、前日比369.651ポイント高の1万7395.531(速報値)で終えた。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が目立った。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。