【ニューヨーク=佐藤璃子】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅反発し、前日比38ドル04セント高の4万0974ドル97セントで終えた。予想を下回る経済指標を材料に626ドル安となった前日から反発したものの、上値は重かった。6日発表の8月の雇用統計の内容を見極めたいとして相場は方向感に欠けた。
朝発表の7月の雇用動態調査(JOLTS)は、非農業部門の求人件数が767万3000件と市場予測(810万件)を下回り、約3年半ぶりの低水準となった。米ウェルズ・ファーゴの調査グループは「最近の労働市場に対する警戒感を裏付けるデータ」と分析する。景気への警戒はくすぶり、相場の上値を抑えた。
個別銘柄ではIBMやボーイング、スリーエム(3M)がそれぞれ1%高となった。一方、半導体の受託生産事業の難航が伝わったインテルは3%安だった。S&P500種株価指数の業種別指数では公益事業や生活必需品といった、景気動向に影響を受けにくい業種が上昇した。
前日に10%安となり時価総額が約2830億ドル(約40兆7000億円)減少した半導体最大手エヌビディアは、4日も続落し2%安となった。取引時間中には上昇する場面もあったが持続しなかった。
9月17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の前には、雇用統計以外にも8月の消費者物価指数(CPI)や9月のミシガン大学の消費者調査など米景気動向を占う重要指標の発表が相次ぐ。相場が神経質に反応する可能性がある。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルセリ氏は「経験則上、9月は相場が下落しやすいため、市場が再び乱高下する可能性がある」と指摘した。
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