北京では、中国とアフリカ53か国の首脳らが参加する国際会議「中国アフリカ協力フォーラム」が、4日から3日間の日程で開かれます。

中国は今回のフォーラムを、中国で開かれる外交活動としては近年で最大規模だとアピールしていて、習近平国家主席が5日に演説を行うほか、今後3年の協力計画をまとめた文書を採択するとしています。

これを前に習主席は、南アフリカのラマポーザ大統領や、ケニアのルト大統領など各国の首脳らと相次いで2国間の会談を行い、中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」の推進などについて意見を交わしています。

豊富な資源や巨大な市場が注目されるアフリカをめぐっては、各国の間で連携強化の動きが相次いでいて、アメリカは2022年にワシントンで大規模な首脳会議を開催しています。

また、日本も3年に1度のTICAD=アフリカ開発会議を通じて、経済関係の強化などを進めていて、2025年には横浜で首脳級会合を開く予定です。

中国としては、今回のフォーラムを通じてアフリカ諸国との関係を強化し、対立が長期化するアメリカなどに対抗するねらいもあるとみられます。

中国は、2000年からアフリカ諸国と定期的に「中国アフリカ協力フォーラム」を開き、インフラへの融資などを通じて関係を強化しています。

中国外務省によりますと、2023年の中国とアフリカの貿易額は2821億ドルと、2000年と比べて26倍余りに増えたほか、長年の協力で10万キロ近い道路や1万キロを超える鉄道を建設するなどしてきたということです。

習近平国家主席は、6年前の2018年に北京で開かれた会議で、融資などの名目で3年間で総額600億ドルを拠出すると表明し、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて、アフリカで影響力を拡大していく姿勢を鮮明にしました。

また、3年前の2021年にセネガルで開かれた会議では、アフリカに新型コロナウイルスワクチンを10億回分提供するほか、医療従事者など1500人を派遣するとともに、アフリカからの輸入を促進し3年間で総額3000億ドルを目指すことを表明しました。

ただ、中国とアフリカの経済協力をめぐっては、中国からの融資によって途上国が過剰な債務を抱え、中国の影響力が増すいわゆる「債務のわな」の問題も指摘されていて、アメリカなどが懸念を強めています。

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