目次

  • ゼレンスキー大統領 ウクライナ東部での戦闘で苦戦

  • 越境攻撃“掌握地域の拡大確認されず”米シンクタンク

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月2日の動き)

ウクライナ情勢 戦況の解説記事はこちら

ゼレンスキー大統領 ウクライナ東部での戦闘で苦戦

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、オランダのスホーフ首相とともに南部のザポリージャを訪問し、記者会見を行いました。

この中で、ゼレンスキー大統領は、欧米から供与された射程の長い兵器を使ったロシア領内への攻撃を認めるよう重ねて訴えた上で「使用したいものすべてを手に入れたわけではない」と述べ、欧米に対し、さらに多くの兵器を供与するよう求めました。

また、ロシア領内への越境攻撃を続けることで、ウクライナ東部ドネツク州の要衝、ポクロウシクなどへのロシア軍の進軍を防ぎたいという考えを強調しましたが「現時点ではまだ困難だ」とも述べ、東部での戦闘で苦戦していることを認めました。

越境攻撃“掌握地域の拡大確認されず”米シンクタンク

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は1日、ウクライナ軍のロシア領内への越境攻撃について、掌握地域の拡大は確認されていないとしています。

首都キーウで民間施設が多く被害に

ウクライナでは、2日もロシアによるミサイルなどの攻撃を受け、首都キーウでは、民間の施設で多くの被害が出ています。

ウクライナ軍によりますと、この日、ウクライナ各地で、ロシアから、ミサイルあわせて35発と無人機23機の攻撃を受けたということです。

この攻撃では、首都キーウにも2時間近くにわたって防空警報が出て、キーウ市当局は、市内8か所にミサイルの破片が落下し、3人がけがをしたと明らかにしました。

このうち、学校では、ボイラー施設にミサイルの破片が落下して、火災が発生したということです。

その後、火は消し止められましたが、NHKが現場を取材したところ、壁や屋根が大きく崩れ落ち、がれきを片づける人の姿も見られました。

また、市内の地下鉄の駅の近くにもミサイルの破片が落下したということで、駅の窓ガラスが割れていました。

商店が建ち並ぶ駅前では、多くの店で看板が外れるなどの被害が出ていました。

このうち、パン屋では、店内の天井が剥がれ落ちて電気も止まり、営業を続けることが難しくなっていました。

パン屋を営む女性は、ロシアによる攻撃から逃れるためおととし、南部のヘルソン州からキーウに避難してきて、半年前に、このパン屋をオープンさせたばかりだったということです。

女性は「ドアを開けると、すべてが破壊され、天井も崩れていて、残念な気持ちになりました。つらいですが、頑張るしかありません。これ以上、泣いていても、状況は良くなるはずがありませんから」と涙ながらに、訴えていました。

ウクライナ 学校の新学年始まる

ウクライナでは2日、各地の学校で新学年が始まり、このうち、首都キーウの学校では式典が開かれ、一部の学年の児童およそ60人と保護者が参加しました。

式典ではまず、ロシアとの戦闘で亡くなった兵士や市民に黙とうをささげたあと、国歌を斉唱しました。

ステージでは、1人ずつ児童の名前と紹介文が読み上げられ、中には、戦争が終わることが夢だとする女の子もいました。

あいさつに立った校長は、教育方針などを紹介したあと「ことしが勝利の年となるよう願います」と述べ、学校としてもウクライナ軍の兵士たちを支えようと訴えました。

3年生の女の子は「やっと友達に会えてうれしいです」と話す一方でこの日の攻撃について「少し怖かったけど親と一緒だったので大丈夫だと思いました」と話していました。

また、37歳の母親は、涙ぐみながら「攻撃のあとに子どもたちを学校に送り届ける準備をする毎日です」と、つらい心情を訴えた一方で「ウクライナに残るという決断をした以上は、ほかに選択肢はありません。ここにとどまり、国を助けなければなりません。子どもたちもそうしなければならないのです」と話していました。

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