【シンガポール=谷繭子】ANAホールディングス傘下の格安航空会社(LCC)、ピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)は29日、12月4日に関西―シンガポール線を就航すると発表した。東南アジア路線の就航は、22年12月に始めた関西―バンコク線に次ぐ2路線目。訪日客の回復を追い風に国際線を強化する。
1日1往復で、運賃は片道164.2シンガポールドル(約1万8200円)から。同日、予約販売を開始した。機材は欧州エアバスの新型中型機「A321LR」を使用する。同社は同型機を3機保有している。
遠藤哲常務執行役員は同日、記者会見でシンガポールを選んだ理由について「日本への関心が非常に高い」と指摘した。一方「東南アジアには魅力的な目的地が多い。さらなる路線の拡大を考えたい」と語った。
ピーチはソウル、上海、香港、台湾(台北・高雄)など短距離線に先行して乗り入れていたが、中距離線への拡大で国際線の売り上げ増を目指している。
日本政府観光局(JNTO)によれば24年1〜7月、訪日したシンガポール人は32万人超と、小国にもかかわらず国・地域別で10位だった。シンガポールはアジアの主要航空ハブで、国内からの旅行者に加え乗り継ぎの需要も期待できる。
ただ競争も激しい。両国間はLCC・新興航空だけでも日本航空(JAL)系のジップエアやシンガポール航空系のスクートに加え、ピーチと同じANA系のエアージャパンが4月に就航している。価格だけでなくサービスなどでも差別化が求められそうだ。
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