ウクライナの最大の軍事支援国となってきたアメリカで、24日、ウクライナへの追加の軍事支援を含む緊急の予算がバイデン大統領の署名を経て成立し、滞ってきた軍事支援が再開しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、SNSに「いま重要なのはスピードだ。われわれの兵士たちに武器を供与するという合意を実行するスピードだ」などと投稿し、追加の軍事支援が速やかに届くことに期待を示しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「戦場での状況はすでに明らかだ。われわれは、新たな兵器が前線の状況を変えることはないと言い続けている」と述べ、アメリカの軍事支援は無意味だとしてけん制しています。

こうした中、ロシア西部のスモレンスク州の知事は、24日、州内の2か所で燃料施設がウクライナ軍の攻撃を受け、火災が発生したと明らかにしました。

これについてウクライナメディアは情報筋の話としてウクライナの保安局が無人機攻撃を行ったと伝えています。ウクライナ軍はこのところロシア国内の燃料施設を狙った攻撃を強めています。

アメリカではロシアによる侵攻が続くウクライナへの追加の軍事支援のための予算が成立し、バイデン政権は防空用のミサイルなど、10億ドル相当の新たな軍事支援を発表しました。

アメリカのバイデン大統領は議会上院がウクライナへの追加の軍事支援を含む緊急の予算案を可決したことを受けて、24日、署名し、予算は成立しました。

これを受けて国防総省は新たに
▽防空用のミサイルや
▽高機動ロケット砲システム=「ハイマース」に使われるロケット弾、それに
▽装甲車の「ブラッドレー歩兵戦闘車」など、総額で10億ドル、日本円にしておよそ1550億円相当のウクライナへの軍事支援を発表しました。

アメリカは与野党の対立から追加の支援のための予算が承認されない状態が続き、軍事支援が滞ってきましたが、再開しました。

会見したバイデン大統領は軍事支援について「アメリカをより安全にするし世界を安全にする。そして、世界におけるアメリカのリーダーとしての地位を継続させる」と訴えました。そして「われわれは独裁者に立ち向かう。誰に対しても屈しないし、プーチンに対してももちろん屈しない」と述べてウクライナを全面的に支援していく考えを強調しました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。