イスラエル軍“人質1人救出” ネタニヤフ首相 強硬姿勢示す

イスラエル軍は27日もガザ地区への攻撃を続けていて、NHKガザ事務所が撮影した映像では、南部ハンユニスにあるナセル病院の近くに攻撃があり、直後にけがをした幼い子どもなどが、次々に病院に運ばれ、手当てを受ける様子をとらえています。

こうしたなか、イスラエル軍は27日、ガザ地区で人質としてハマスに捕らえられていた52歳の男性1人を南部で救出したと発表しました。

イスラエルメディアのハーレツは、男性は自力で地下トンネルから逃げ出したあと、イスラエル軍に保護されたと報じています。

ネタニヤフ首相は声明で「われわれは交渉と救出作戦で人質の解放を目指していて、いずれも絶え間ない軍事的な圧力を必要とする」と述べ、救出の成果を強調するとともに、ハマスへの攻勢を強めることが人質の解放につながるという、強硬な姿勢を改めて示しました。

ハマスはいまだに100人以上の人質を捕らえていて、イスラエルとハマスの間の停戦と人質の解放に向けた協議では、停戦した場合のイスラエル軍の撤退の範囲などについて、実務者レベルの協議が続いています。

ただ、イスラエルとハマスの主張の隔たりは、大きく協議は難航しているとみられます。

上川外相 イラン外相と電話会談 “あらゆる外交努力を”

中東情勢をめぐって上川外務大臣は、イランのアラグチ外相と電話で会談し「緊張を高めることがないようあらゆる外交努力がなされるべきだ」として、自制を求めたのに対し、アラグチ外相は「エスカレーションは望まない」と述べました。

イランは、イスラム組織ハマスの当時の最高幹部の殺害を受けて宣言しているイスラエルへの報復について、停戦に向けた協議の行方を見極めながら時期や方法を慎重に判断する構えを示しています。

こうした中、上川外務大臣は、28日午後1時からおよそ30分間、イランのアラグチ外相と電話で会談しました。

上川大臣は「事態のさらなるエスカレーションは、地域や国際社会全体の利益にならず、これ以上緊張を高めることがないよう、あらゆる外交努力がなされるべきだ」と述べ、イランに自制を求めました。

また、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどに対しても、イランから自制を働きかけるよう求めました。

これに対し、アラグチ外相は「今の中東情勢においてエスカレーションは望まない」と述べました。

そして両外相は、日本とイランの友好関係に基づき、意思疎通を継続していくことで一致しました。

電話会談のあと上川大臣は記者団に対し「緊張感を持ちながら、事態の沈静化に向けて最大限の外交努力を行っていく」と述べました。

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