イスラエル軍はイスラム組織ハマスに拉致され人質となっていた男性を救出したと発表した=ロイター(イスラエル軍提供)

【エルサレム=共同】国連高官は、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ中部デールバラハの一部に25日出した退避要求の影響で、人道支援活動が26日、一時中断を余儀なくされたと明らかにした。ガザでは今月、ポリオ(小児まひ)の感染が確認されたが、準備していたワクチン接種に影響が出る可能性がある。ロイター通信が報じた。

イスラエル軍は27日、ガザ南部での作戦で、昨年10月のイスラム組織ハマスの奇襲攻撃で拉致され、人質になっていた男性(52)を救出したと発表した。病院に搬送されたが容体は安定しているという。

国連人道問題調整室(OCHA)によると、軍の退避要求は今月だけで16回出ている。ガザ地区の88%以上に退避が求められ、残りの地域に避難民が密集しているため、水や医療、避難所などが不足している。

一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは26日、軍が5月に実施した攻撃は多数の民間人を巻き込んでおり「無差別の疑い」があるとして、戦争犯罪としての捜査を求める調査結果を発表した。

調査によると、5月26日にガザ南部ラファの避難民キャンプを空爆し、戦闘員4人を含む少なくとも36人が死亡した。28日には軍が「人道地区」に指定したマワシ地区を戦車で砲撃し、民間人23人が死亡した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。