ドルは主要通貨に対して下落=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時1ドル=144円台半ばまで円高・ドル安が進んだ。円相場が144円台を付けるのは2週間ぶり。同日公表となった7月30〜31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は次回9月の会合での利下げ開始を強く示唆する内容でドルが円を含む主要通貨に対して下落した。

ドルは対ユーロでも一時1ユーロ=1.117ドル近辺まで下落し、2023年7月以来、約1年1カ月ぶりのドル安・ユーロ高水準を付けた。

米連邦準備理事会(FRB)が公表したFOMC議事要旨で、大多数の参加者は「もしデータが予想通りであれば、次回の会合で政策を緩和するのが適切だろう」と述べた。英キャピタル・エコノミクスのスティーブン・ブラウン副チーフ北米エコノミストは「9月利下げを裏付ける議事要旨となった」とみる。

21日午前に米労働省が公表した雇用統計の年次改定もドル安を促す一因となった。24年3月時点の雇用者数が81万8000人程度の下方修正になる可能性が高いと推定し、労働市場は既発表データが表す以上に減速感が色濃いことを示唆した。

議事要旨や雇用統計の年次改定の公表を受け、9月以降の利下げペースが速まる可能性が意識されると、米債券市場では米国債の利回りが低下(債券価格は上昇)した。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは一時前日より0.09%低い3.89%まで低下した。

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