JPモルガンのダイモンCEOは対談イベントで語った(23日、ニューヨーク市)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米銀最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は23日、11月の米大統領選について「次期大統領が誰であろうと他党からも閣僚に入れてほしい」と語った。実務家が政権運営に関わるのが望ましいとの考えも示した。

ニューヨーク市内で開いた対談イベントで語った。大統領選に勝つのが「(民主党の)バイデン氏なら共和党員を、(共和党の)トランプ氏なら民主党員を閣僚に入れるのを見てみたい」と語った。

ダイモン氏は民主党員として知られるが、伝統的な共和党の志向する市場重視の経済政策への共感も示している。過去には自身の大統領選への出馬説も浮上した。「トランプ大統領を打ち負かすことができる」と発言し、直後に撤回したこともある。

現在はJPモルガンの経営トップに専念する考えを示すが、CEO退任後の公職への関心も口にしている。欧米メディアでは将来の財務長官候補との見方がある。

23日のイベントでは、米経済の現状について「信じられないほど活況を呈している」と語った。理由の一つにバイデン政権の積極的な財政支出を挙げた。

もっともダイモン氏は、かねて米財政赤字の大きさや地政学リスクの高まり、米連邦準備理事会(FRB)の量的引き締めといった米経済の不安材料を指摘してきた。

この日も「(米経済は)今のところ軟着陸シナリオに沿っているようにみえるが、私はまだ慎重な立場だ」と発言。物価高と景気後退が併存するスタグフレーションなど、経済の下振れリスクへの警戒を改めて示した。

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