【ニューヨーク=西邨紘子】米物流大手UPSが23日発表した2024年1~3月期の決算は、売上高が前年同期と比べ5%減の217億600万ドル、純利益が41%減の11億1300万ドルだった。配送需要の縮小に加え、賃上げでコストが膨らみ、利幅を圧迫した。
事業再編費など特殊要因を除いた調整後の1株利益は1.43ドルで、前年同期(2.20ドル)から減少した。市場の予想(1.28ドル程度)は上回った。
事業別の売上高は、主力の米国内宅配が前年同期比5%減の142億3400万ドル、米国外が同6%減の42億5600万ドルだった。1日あたりの平均の宅配量は米国内が約3%、国外が6%縮小し、売上高を押し下げた。企業向け物流サービス事業は売上高が前年同期と比べ5%減った。
組合員やパートタイマーの賃金引き上げなどが重荷となり、特殊要因調整後の営業利益は32%減少した。営業利益率は前年同期の11%から8%に低下した。
UPSは、足元では事業環境が改善し始めていると説明した。キャロル・トメ最高経営責任者(CEO)は米国の宅配需要が「(1~3月の)期間中に上向き始めた」と指摘した。
同社は4~6月期は配送量、売上高がともに前年同期と比べて増加に転じると予想している。2024年12月通期の業績見通しは、売上高で920億〜945億ドルの範囲とした前回予想を据え置いた。
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