IOC=国際オリンピック委員会などによりますと、パリ大会のボクシング女子66キロ級に出場しているアルジェリアのエイマヌン・ハリフ選手は、去年(23年)の世界選手権で男性ホルモンの一種、テストステロンの数値が高く、女子選手としての出場資格を満たしていないとして、当時の国際競技団体から出場資格を認められませんでした。
一方で、今大会のボクシング競技を管轄しているIOCは「選手の性別はパスポートに基づいて決定される」として出場の正当性を強調し、ハリフ選手は1日、イタリアの選手との初戦で相手が試合途中で棄権したことによって準々決勝進出を果たしました。
この試合について、イタリアのメローニ首相は「男性の遺伝的特徴を持つアスリートは女子の大会に参加させるべきではない。誰かを差別したいからではなく女性のアスリートが平等な条件で競技する権利を守るためだ」と述べ、公平性に疑問を投げかけました。
イタリア政府によりますと、メローニ首相は2日、パリでIOCのバッハ会長と面会した際にもこの試合に言及し、競技の公平性を確保するためのルールについて議論したということです。
こうした中、アルジェリアのオリンピック委員会は1日、声明を発表し、ハリフ選手に対してひぼう中傷が相次いでいると明らかにした上で「外国メディアによる悪意ある非倫理的な攻撃を、可能なかぎり強いことばで非難する。虚偽に基づくこれらの中傷の試みは、全く不当なものだ」と強く非難しました。
パリ大会のボクシングでは女子57キロ級でも、世界選手権で女子選手としての出場資格が認められなかった台湾の選手が2日の試合に勝ち、女子選手の出場資格をめぐる論争がさらに激しくなりそうです。
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