【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングは31日、新たな最高経営責任者(CEO)にケリー・オルトバーグ氏が就任する人事を発表した。オルトバーグ氏は米航空部品の旧ロックウェル・コリンズの元CEOで、製造品質問題で混乱するボーイングの経営再建を担う。
8月8日に就任する。オルトバーグ氏は64歳で、2013年から5年にわたりロックウェルを率いた航空業界のベテラン経営者。ロックウェルは現在、航空部品大手RTXの傘下にある。
20年に就任したデビッド・カルフーンCEOは24年3月、品質問題を受けて年内に退任する意向を示し、後任探しが続いていた。
ボーイングは小型機「737MAX」を巡って経営が混乱。18〜19年に2回の墜落事故を起こして世界中で一時運航が停止した。自動操縦システムに不備があったためで、対応を巡り当時のCEOが更迭された。
ボーイングはカルフーン氏のもとで立て直しを進めていたが、24年1月には飛行中の「737MAX」に穴が開く事故が発生した。製造の過程で非常口を覆うパネルを胴体に固定するのを忘れていた。
スティーブ・モレンコフ取締役会議長はオルトバーグ氏について「経験豊富なリーダーで深く尊敬されている。強いチームをつくり、複雑な製造業を運営する手腕は確かだ」とコメントした。
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