【青島=共同】日米中を含むアジア太平洋地域の約30カ国の海軍トップらが海洋安全保障について議論する「西太平洋海軍シンポジウム」が22日、中国山東省青島で開かれた。中国軍最高指導機関、中央軍事委員会の制服組トップ張又俠副主席は開幕式で「海上における封じ込めは世界を引き裂き、混乱に陥れる」と表明。海洋進出を強める中国に対抗した米欧など各国による包囲網の構築をけん制した。
南シナ海の領有権を巡り中国との争いが激化するフィリピンは、シンポへの代表団派遣を見送った。日本は当初、海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長が出席する予定だったが、伊豆諸島の鳥島東方海域での海自ヘリコプター墜落事故を受け海自幹部が代理出席した。
開幕式で張氏は「海洋でのグローバル統治は多くの新たな課題に直面しており、私たちには団結と協力が必要だ」と協調を呼びかけた。対話強化と相互理解を促し「各国が最大公約数を見つけるべきだ」とも訴えた。海軍の胡中明司令官も出席した。
23日には「運命を共にする海洋」をテーマに各国の海軍高官が海洋安保協力や国際法に基づく海洋秩序について意見交換。2国間会談も実施される。シンポは1988年から「海洋での各国海軍の協調」を目的に2年に1回、各国が持ち回りで開催。中国の主催は2014年以来、10年ぶり。
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