パリ五輪開会式の会場付近を警戒する警察官(19日、パリ)=目良友樹撮影

【パリ=北松円香】パリ五輪が26日に開幕する。各国首脳や企業幹部が多数出席する予定で、安全な開催が最大の課題だ。セーヌ川を舞台とした水上開会式には警備担当者4万5000人がテロ警戒に当たる。華やかな式や競技の裏で厳戒態勢が敷かれる見通しだ。

仏メディアによると五輪期間中は英国やスペインなど他国からおよそ1800人の警官が応援に駆けつける。カタールは警官だけでなく装甲車もフランスに送り込んだ。

仏政府が特に警戒するのがセーヌ川で行われる開会式への攻撃だ。五輪史上初の野外開催で両岸から32万人もの人が観覧するうえ、各国首脳100人以上が出席する見込みだ。

内務省によると、開会式で警備に当たる警官や憲兵は4万5000人で100メートルあたり4人を配置する計算になるという。さらに18日からはセーヌ川の両岸の一部を封鎖し、市民は事前の許可がなければ立ち入れなくなった。

セーヌ川はパリの中心を東西に流れるため、通勤など日常の移動に困難が生じている。中心部の地下鉄の駅も多数閉鎖されている。

仏大統領府筋はパリ五輪に合わせて米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)を含む40人強の海外企業トップも招待したと明らかにした。

2023年秋からの中東情勢の緊迫に伴い、フランスでは小規模なテロが散発した。米国ではトランプ前大統領の銃撃事件が起きたばかりで、要人警護の緊張感が高まっている。

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