ホワイトハウスの大統領執務室で演説するバイデン大統領(24日)=ロイター

バイデン米大統領による24日の国民向け演説の要旨は次の通り。

米国民の皆さん。私は今夜、大統領執務室の、大統領執務机から皆さんに話している。この神聖な空間で、私は類いまれなる米大統領たちの肖像画に囲まれている。

私はこの執務室を崇敬するが、わが国をもっと愛している。あなた方の大統領として仕えることは、人生最大の名誉であってきた。しかし、いま危機にある民主主義の防衛は、どんな肩書より重要だ。

私は米国民のために働くことに力を得て、喜びを感じる。しかし連邦を完全にするこの神聖な仕事は、私の問題ではない。あなた方、あなたの家族と、あなたの未来のためだ。「我ら人民」のためだ。それを決して忘れることはできない。

私は米国が転換点にあると信じていると明言してきた。我々がいま下す決断が今後数十年にわたって米国と世界の運命を定める、歴史上まれな瞬間の一つだ。米国は、前進するか、後退するか、希望か憎悪か、団結か分断かを選ばなくてはならない。

皆さんが私を大統領に選んだとき、私は常にあなた方に正直であり、真実を話すと約束した。真実、この国の神聖な大義は、我々の誰よりも大きい。

この数週間、この重要な努力で私はわが党を結束する必要があるということを悟った。私の大統領としての実績、世界におけるリーダーシップ、米国の未来のためのビジョンは、2期目に値すると信じている。しかし我々の民主主義を守ることを何も邪魔してはならない。それには個人的な野心も含まれる。

だから私は、最善の道は新世代にたいまつを渡すことだと判断した。それがわが国を団結させる最善の道だ。公人としての長年の経験が必要な時と場所があるが、新たな声、新鮮な声、より若い声が必要な時と場所もある。いまこそがその時だ。

これから6カ月、私は大統領としての仕事に専念する。引き続き勤勉な家族の負担を減らし、経済を成長させる。投票権から(人工妊娠中絶を)選ぶ権利まで、個人の自由と公民権を守り続ける。憎悪や過激主義を糾弾し続ける。米国には政治的暴力や、いかなる暴力の居場所もないということを明確にする。

銃の暴力から子供たちを守り、地球を気候変動の危機、存亡の危機から守るために声を上げ続ける。「がんムーンショット」のために闘い続ける。最高裁改革を求める。我々の民主主義のために重要だからだ。米国が強く、安全で、自由世界のリーダーであり続けるよう働き続ける。

私は、米国が世界のどこでも戦争していないと米国民に報告する、今世紀最初の大統領だ。プーチン(ロシア大統領)がウクライナを乗っ取り、より損害を与えることを阻止する誇りある国々の同盟を動員し続ける。北大西洋条約機構(NATO)をより強くする。太平洋でも同盟国のために同じことを続ける。

私が就任したとき、中国が米国を追い越すのは避けられないというのが世間一般の通念だった。もはやそうではない。

ガザでの戦争を終わらせ、すべての人質を帰還させ、中東に平和と安全をもたらすために努力し続ける。

私が就任したころ、最悪のパンデミックの渦中にあり、世界大恐慌以来の最悪の経済危機にあった。南北戦争以来最悪の民主主義への攻撃があった。しかし我々は米国民として結束し、切り抜けた。より強く、より繁栄し、より安全になった。

今日、米国の経済は世界で最も強力だ。およそ1600万の新規雇用を創出している。賃金は上昇し、インフレは引き続き下がっている。人種間の富の差は20年で最も小さい。

過去最も多くの人が医療保険を保有している。世界の歴史で最も重要な気候変動対策の法案に署名し、30年で最も重要な銃の安全法案に署名した。

今日、暴力犯罪率は50年で最も低い。国境を安全にしている。前政権が去ったときより不法越境者数は少ない。

連邦最高裁に黒人女性を指名する約束を守った。米国の人種構成と同様の政権にし、すべての米国民のための大統領になるという約束も守った。

私は4年前、米国の魂が危機にあると考えたから大統領に立候補した。いまもそう思っている。

数カ月後、米国民は米国の将来の道筋を選ぶ。私は自分の選択をした。私の見方を示した。私の素晴らしい副大統領、カマラ・ハリスに感謝したい。彼女は経験豊富で、タフで、有能だ。私の素晴らしいパートナーであり、わが国のリーダーであってきた。選択はあなた次第、米国民次第だ。

50年以上にわたってこの国に仕えてきたことは、私の人生最大の名誉だ。ペンシルベニア州スクラントンとデラウェア州クレイモントで質素な幼少時代を過ごしたきつ音のある子供が、アメリカ合衆国大統領として大統領執務室で大統領執務机に座れる場所は地球上に他にはない。

しかし私はここにいる。だからこそ米国は特別なのだ。我々は約束と可能性、夢を見る者と実行する者、並外れたことをする普通の国民の国だ。他の多くの人たちのように、私は私の心と魂をわが国にささげてきた。私があなた方皆にいかに感謝しているか、少しでも分かってもらえたことを望む。

米国の素晴らしいことは、王も独裁者も支配しないことだ。人々が統治する。歴史は皆さんの手の中にある。力は皆さんの手の中にある。

信念を保ち、我々が何者かを覚えておかねばならない。我々はアメリカ合衆国であり、我々が共に行動すれば、我々の能力を超えるものは何もない。だから一緒に行動しよう。我々の民主主義を保とう。皆さんに神のご加護を。米軍に神の保護を。ありがとう。

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