【エルサレム、ワシントン=共同】国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は23日、イスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの8割以上で退避要求をしたり、立ち入り禁止区域を設定したりしていると明らかにした。人道状況が悪化する中、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相は24日、米議会で演説する。25日にはバイデン大統領と会談し、米政権が求めるガザ停戦を協議する。
イスラエルメディアによると、ネタニヤフ氏は議会演説でハマスへの「完全な勝利」を目指す考えを改めて強調し、軍事支援強化などを訴える。
米イスラエル首脳会談は、バイデン氏にとって大統領選から撤退後初の外交となり、自身の影響力低下の懸念を解消したい考え。ネタニヤフ氏は25日、米民主党の大統領候補指名を確実にしたハリス副大統領とも会談する見通し。共和党のトランプ前大統領も26日にネタニヤフ氏と会うと明らかにした。
軍は22日、ガザ南部ハンユニスの「人道地区」で「ハマスが再武装しているとの情報を得た」として一部住民に退避を要求し、直後に攻撃。中東の衛星テレビ、アルジャズィーラによると、89人が死亡し約250人が負傷した。周辺では約15万人が避難したとみられる。
国連人道問題調整室(OCHA)は、退避を要求した地域が「人道地区」全体の約15%を占めたと指摘した。
ガザの退避先での密集が進む中、世界保健機関(WHO)は23日、衛生環境の悪化でポリオなどの感染症がまん延するリスクが高まっていると警告した。
軍は24日もガザ攻撃を続けた。ガザ保健当局は24日、戦闘開始以降のガザ側死者が3万9145人になったと発表した。
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