ブリンケン氏は日本などアジア6カ国を歴訪する=ロイター

【ワシントン=芦塚智子】米国務省は22日、ブリンケン国務長官が7月24日から8月3日までの日程で日本やフィリピンなどアジア地域の6カ国を歴訪すると発表した。バイデン大統領が大統領選からの撤退を表明した直後の訪問となる。各国に対し米国のインド太平洋地域への関与継続を強調する見通しだ。

ブリンケン氏は日本でオースティン国防長官と共に日米の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)や、米国が核を含む戦力によって同盟国を守る「拡大抑止」について議論する初の日米閣僚級会合に臨む。日米豪印4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」の外相会合にも参加する。

クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)は電話による記者会見で、ブリンケン、オースティン両氏の訪日について、4月の岸田文雄首相の訪米での「主要な成果の実行」について協議するのが目的だと説明。日米の指揮統制や役割、任務、能力などが議題になると指摘した。

ブリンケン、オースティン両氏はフィリピンで同国との外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)も開く。両国の2プラス2をフィリピンで開催するのは初めてとなる。

さらにブリンケン氏は、ベトナムで最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長の葬儀に参列。ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)との拡大外相会議などに参加する。クリテンブリンク氏によると、ブリンケン氏はラオスで中国の王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相と会う予定だ。

ブリンケン氏はシンガポールとモンゴルも訪問する。

国防総省によると、オースティン氏は日本で日米韓防衛相会談にも参加。帰国後の8月6日、米東部メリーランド州アナポリスでブリンケン氏と共にオーストラリアとの外務・防衛閣僚協議を開く。

ブリンケン氏らのアジア歴訪はバイデン氏の撤退表明以前から予定されていた。クリテンブリンク氏は、撤退を受けてブリンケン氏が各国に伝えるメッセージについて「米国はインド太平洋地域に全力を傾注しているということだ」と強調した。

またトランプ前大統領が大統領に返り咲いた場合の同盟国に対する政策変更を巡る各国の懸念については「同盟国やパートナー諸国に対し、通商関係など米国の関与の基本原則は変わらないということを再保証しようとしている」と述べた。

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