遅延の影響でたまった預入荷物を仕分けるデルタの従業員(22日、米ジョージア州アトランタ)=ロイター

【ニューヨーク=弓真名】米企業のセキュリティーソフトの不具合により世界各国で同時発生した大規模システム障害で、企業の間で復旧の進捗にばらつきが目立っている。遅延・欠航が相次いだ航空各社は通常通りの運航に戻りつつあるものの、米デルタ航空は米東部時間22日午後15時時点で800便超を欠航した。一部の企業では復旧作業が難航しているようだ。

米航空調査データのフライトアウェアによると、デルタ航空は22日に予定していた運航便の33%にあたる1200便以上が遅延している。21%にあたる800便以上が欠航しており、これは世界の運航便における欠航数のおよそ半分を占めている。

ライバルのアメリカン航空の欠航率は22日時点で1%、ユナイテッド航空は0%に回復した。米国の三大航空会社で復旧度合いに大きな差が出ている。

デルタのエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は21日に公表した声明で、乗組員の位置を把握する追跡ソフトウエアがシステム障害によって大きな影響をうけ、前例にない規模の変更作業を迫られていると説明した。

デルタの復旧遅れについては行政も気をもんでいる。米運輸省のピート・ブディジェッジ運輸長官は21日、X(旧ツイッター)上に「デルタは遅延や欠航で影響をうけた顧客に対して払い戻しなど適切なサービスを提供しなくてはいけない」と投稿した。

それでも、復旧にはなお時間がかかるようだ。米ブルームバーグ通信は22日午後、デルタの関係者が今週中、さらに欠航が増えると見通していると報じた。

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