積水化学工業が新設するタイの新工場のイメージ

積水化学工業は22日、タイで自動車などのガラスに使う素材の生産能力を増強すると発表した。約80億円を投じて、タイの既存工場に新たに製造ラインを設置する。自動車の電動化で、ガラスにディスプレー機能を持たせたり、遮音・遮熱性能を高めたりするニーズが高まっている。

合わせガラスに使う中間膜の製造ラインを設け、2026年度下期に稼働する。年間で自動車700万台分の中間膜が新たに製造できるようになる。中間膜はガラスの間に差し込んで機能を高めるための材料で、フロントガラスやドアガラスなどで使われる。

積水化学は自動車向け中間膜で世界シェア首位だ。タイのほか、北米や欧州、メキシコなどに生産拠点を持つ。自動車生産が増えているタイで能力を増強し、アジア向けの生産体制を整える。

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