パレスチナ自治区ガザの保健当局は19日、イスラエル軍の攻撃によるガザの死者数が計3万4千人を超えたと発表した。国連によると死者の3分の1近くにあたる1万人以上が女性だという。
保健当局の発表によると、イスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まった昨年10月以降の死者数は計3万4012人。負傷者数は計7万6833人に上る。
一方、国連女性機関が16日発表した報告書によると、死亡した女性のうち6千人が母親だった。その結果、1万9千人の子どもが孤児になったとみられる。また、ガザに住む100万人以上の女性と女児が飢餓に直面しており、清潔な水やトイレ、生理用ナプキンを利用できていない。肝炎や下痢などの感染症も蔓延(まんえん)しているという。
また、報告書は「清潔な水を利用することは、1日に必要な水分やカロリーの摂取量が多い授乳中の母親や妊娠中の女性にとって特に重要だ」と指摘。女性が尊厳をもって月経を管理するためには、毎月1千万枚の使い捨て生理用ナプキンが必要だとも伝えている。
同機関の担当者はジュネーブでの記者説明会で、「ガザの戦争は、間違いなく女性に対する戦争だ。女性たちは、自分が引き起こしたのではない戦争のために、大きな代償を払っている」と警鐘を鳴らした。(エルサレム=根本晃)
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