デルタ航空の2024年4〜6月期決算は減益となった=ロイター

【ニューヨーク=弓真名】米デルタ航空が11日発表した2024年4〜6月期決算は、純利益が前年同期と比べ29%減の13億500万ドル(約2000億円)だった。減益は22年7〜9月期以来、7四半期ぶり。人件費などコスト負担が増え利益を圧迫した。航空各社は夏の旅行期にあわせ運航便数を増やしており、国内線が供給過多に陥り客単価が下がったことも採算悪化を招いた。

売上高は7%増の166億5800万ドルだった。ファーストクラスを含め高単価の座席「プレミアム・プロダクト」の売り上げが10%増えたことがけん引した。一方、エコノミークラスの「メインキャビン」は微増にとどまった。減益となるのは22年7〜9月期以来7四半期ぶりとなった。

一般向けの運航便で過当競争が起きている。夏場の旅行需要の取り込みに向け、各社が便数を増やしているためだ。デルタのエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は11日に開いた決算説明会で「需要は引き続き堅調だが、業界全体で国内便の供給が急増しておりメインキャビンの利益率に影響が出ている」と説明した。

このため客単価が減った。1座席を1マイル(約1.6キロメートル)輸送して得られた収入を示す「有効座席マイルあたり収入」(TRASM)は前年同期から3%減った。

採算面では人件費が9%増。燃料費も12%増え、利益を圧迫した。

米運輸安全局(TSA)が管理する10日の全空港の利用者は260万人を超えた。前年同日から7%増えた。夏場の需要は好調だが、旅客各社の利益に直結するわけではなさそうだ。大手のアメリカン航空や格安航空会社(LCC)のサウスウエスト航空は5月から6月にかけて、24年4〜6月期決算の業績見通しを下方修正している。

激しい競争は続く見通しだ。デルタは24年7〜9月期の調整後の1株利益が1.7〜2ドル(23年7〜9月期は2.03ドル)になると予想し、減益傾向が続くとしている。業績見通しが事前予想に届かなかったとして、11日の株式市場でデルタの株価は10日終値から10%下落する場面があった。

24年12月期通期の業績予想は据え置いた。調整後の1株利益は6〜7ドルになると予想している。

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