中国の欧州連合(EU)代表部は11日、米ワシントンで開かれている北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で採択された首脳宣言について「中国への挑発、うそ、扇動、中傷に満ちている」とする報道官談話を発表した。NATO側に厳正な申し入れを行ったという。

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 首脳宣言では中国について、ロシアの防衛産業を大規模に支援し、ウクライナ侵攻における「決定的な支援者になり、ロシアの脅威を増大させている」と指摘。中国に対して、ロシアの侵攻のためのあらゆる物質的、政治的な支援をやめるよう求めた。

 これに対し、中国のEU代表部は11日、SNSの公式アカウントへの投稿で「中国はウクライナ危機の製造者ではない」と反論。「ウクライナ問題に対して中国はオープンかつ率直で、政治的解決を促進する立場は国際社会から広く認められ、高く評価されている」と強調した。

 また、殺傷力のある武器をいずれの側にも提供したことはなく、民生用ドローンを含む軍民両用製品の輸出を厳しく管理してきたと主張。その上で、長期化するウクライナ侵攻について「国際社会は誰が火に油を注ぎ、これを機に私利を得ようとしているか知っている」と暗に米側を批判した。

 NATOに対しては、「国際社会の公正な声に真剣に耳を傾け、責任をなすりつけるのではなく、情勢の緩和を促し、問題を解決するために行動するべきだ」と求めた。(北京=井上亮)

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