【NQNニューヨーク=横内理恵】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比52ドル82セント安の3万9291ドル97セント(速報値)で終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて9月の米利下げ観測が意識され、買いが優勢になる場面があった。半面、米景気減速への警戒も根強く、景気敏感株などへの売りが指数の重荷となった。
パウエル議長は9日、米上院銀行委員会での議会証言に臨んだ。2%のインフレ目標に向けて「直近の指標はさらなる緩やかな進展を示した」と述べ、さらに良いデータがあれば、「自信が深まる」と説明した。議長は金融緩和が早すぎたり過度になるリスクとあわせて、「遅すぎたり少なすぎたりすれば、経済活動や雇用を不当に弱める可能性がある」とも指摘した。
市場では、利下げが遅れることへの警戒感を示したと受け止められた。一連の発言を受けてダウ平均は一時150ドル近く上昇したが、買いが一巡すると下げに転じた。パウエル議長は10日は下院金融サービス委員会での議会証言に臨む。11日には6月の米消費者物価指数(CPI)の発表も控えており、積極的な売買を手控える雰囲気があった。
ダウ平均ではダウやスリーエム、セールスフォースの下げが目立った。一方、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、インテルは上げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、前日比25.553ポイント高の1万8429.291(速報値)で終え、6日連続で過去最高値を更新した。テスラが10日続伸で終えた。アナリストが目標株価を引き上げたエヌビディアも高かった。
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