昨年11月の下院総選挙から約7カ月を経て新内閣が発足した=AP

【ブリュッセル=共同】オランダのウィレムアレクサンダー国王は2日、反移民、反欧州連合(EU)の極右、自由党(PVV)主導の4党連立政権を承認し、昨年11月の下院総選挙から約7カ月を経てようやく新内閣が発足した。元情報機関トップのディック・スホーフ氏が首相に就任した。

PVVは過去に閣外協力をしたことはあるが、政権を担うのは初めて。4党連立政権は難民・移民政策を厳格化し、EUの規則を離脱して独自に国境管理を強化する方針。域内5番目の経済規模を誇るオランダとEUの関係悪化が懸念されている。

スホーフ氏は就任後、X(旧ツイッター)に投稿し「誰もが安心して暮らせる安全で公正なオランダ」を目指すとして移民の管理を強化する考えを示した。

PVVのウィルダース党首は、自身の過激な主張に対する連立相手の反発を考慮し、首相就任を断念。4党の協議でスホーフ氏を指名し、閣僚は政治家だけでなく、政界外の「専門家」からも起用することを決めた。

首相を除く閣僚は15人で、PVVが5人、中道右派の自由民主党(VVD)と中道の新社会契約(NSC)がそれぞれ4人、農民市民運動が2人を選んだ。

オランダでは昨年7月、VVDのルッテ氏が率いる4党連立政権が難民流入抑制策に合意できずに崩壊。2010年から首相を務めてきたルッテ氏が新政権発足まで暫定首相の座にとどまっていた。ルッテ氏は今年10月に北大西洋条約機構(NATO)事務総長に就任する。

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