米連邦最高裁は保守派判事が多数派を占める

【ワシントン=芦塚智子】米連邦最高裁は1日、トランプ前大統領が2020年の大統領選で敗北した結果を覆そうとした罪で起訴された裁判を巡り、大統領の免責特権を一部認める判断を下した。11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏には追い風となる。

最高裁は判決でトランプ氏に対し、大統領としての公式な行為に関しては一定の免責が認められると判断した。ただ「非公式の行為については免責はない」とした。

下級審に差し戻し、トランプ氏の行為がどこまで免責されるかを改めて審理することになる。裁判の開始がさらに遅れる可能性が高い。

トランプ氏は判決を受けてSNSに「米国の憲法と民主主義にとって大きな勝利だ」と投稿した。

判断は6対3で、保守派判事6人が判決を支持し、リベラル派判事3人が反対した。

首都ワシントンの連邦控訴裁が2月に免責を認めない判決を下し、トランプ氏側が最高裁に控訴裁の判決を発効させないよう審理を求めていた。

口頭弁論では、保守派の判事から大統領の公務に当たる行為には一定の免責が必要だとの見方を示す発言が相次いだ。リベラル派の判事は免責に慎重な姿勢を示していた。

9人の判事で構成する連邦最高裁はトランプ氏が保守派判事3人を指名したことで保守派6人、リベラル派3人と保守に傾斜している。3月には共和党の大統領候補を選ぶ西部コロラド州の予備選にトランプ氏の参加を認める判断を下した。

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