ミサイルで18人死亡のチェルニヒウ 学生「大きな音が怖い」

ウクライナ北部のチェルニヒウでは17日にロシア軍によるミサイル攻撃があり、地元当局などの発表によりますと3発の巡航ミサイルで、これまでに18人が死亡したほか78人がケガをしました。

被害を受けたのはホテルや大学、病院などが集まる地域で18日、NHKの取材班が現場を訪れるとミサイルが直撃したとみられるホテルは大きく崩れ、部屋がむき出しになっていたほか一部は跡形もなくなっていました。

また、周囲の建物も窓ガラスが壊れるなどの被害が出ていて、およそ100メートルほど離れた大学の寮では割れた窓ガラスを片づける作業が行われていました。

寮に住む17歳の学生は「とても怖かった。割れたガラスに当たらなかったのは奇跡だった。いま、大きな音が怖い。あんなことはいままで見たことがなかった」と衝撃を振り返っていました。

チェルニヒウでは18日を喪に服す日とし、市内の公共施設には黒いリボンがとりつけられた半旗が掲げられ犠牲者を悼んでいました。

チェルニヒウ州の幹部はNHKの取材に対し「ロシアによる平和な街への新たなテロ行為だ。もし十分な防空システムが備わっていれば、攻撃の結果はここまでひどくならなかった」と訴えていました。

ウクライナにとって今回の被害は防空システムの強化に向けて支援を繰り返し訴える中で起きた形で、今後、欧米各国の対応が焦点となります。

ウクライナ クレバ外相 防空システムへの支援強化求める

イタリアで開かれているG7外相会合は18日、ウクライナのクレバ外相やNATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長も出席して、ウクライナ情勢について協議が行われました。

これを前に、クレバ外相はメディアに対し「私がここに来たのは、ウクライナに防空システムやミサイルを供与するよう話すためだ。G7にはそれを行う能力がある」と述べ欧米などに対し防空システムの支援の強化を求めました。

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は先月中旬以降、発電所などのインフラ施設を標的にした攻撃を激化させ、各地で深刻な被害が出ています。

ゼレンスキー大統領は、キーウ州にある最大の火力発電所が今月11日、ミサイルの攻撃を受けた際に防空システムのミサイルが枯渇していて撃墜できなかったと明らかにするなど防空能力のぜい弱性を重ねて強調し、欧米側に支援を訴えています。

ロシア “ザポリージャ原発の施設にウクライナ軍の無人機攻撃”

ロシアは18日、占拠を続けるウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所の訓練施設にウクライナ軍の無人機による攻撃があったと主張しました。

施設に被害はなく、けが人もいないとしています。

ドイツでドイツ・ロシア双方の国籍持つ2人を逮捕 破壊工作計画か

ドイツの検察当局は18日、国内にある軍事施設などに対し、爆発物を使った破壊工作を計画していたなどとしてドイツとロシア双方の国籍を持つ2人を、スパイ容疑などの疑いで逮捕したと発表しました。

ウクライナへの軍事支援の妨害をねらっていたとされ、ドイツの有力誌シュピーゲルは、2人が標的としていたのは、ウクライナ軍の兵士が戦車の訓練を受けるアメリカ軍の軍事施設などだと伝えています。

検察当局によりますと、このうち1人は、ロシアの情報機関とつながりのある人物と、去年10月から連絡を取り合っていたということで、フェーザー内相は18日「ロシアのプーチン政権のために計画されたとみられる深刻な事案だ」と述べ、危機感を示しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は18日「これに関する情報は持ち合わせていない」と述べるにとどめています。

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