【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時40分現在は前日比124ドル32セント高の3万7877ドル63セントで推移している。ダウ平均は今月に入って大幅に下げており、一部の主力株に押し目買いが入った。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方は根強く、ダウ平均の上値は重い。
ダウ平均は今月に入り、前日までに2054ドル下げた。短期間で下げすぎとみた買いが入りやすい。ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズなどディフェンシブ株の一角に買いが入り、指数を押し上げている。
もっとも、ダウ平均は上値の重さも意識される。18日発表の週間の新規失業保険申請件数は21万2000件と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(21万5000件)を下回った。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が同日朝、利下げを巡って「経済状況によって決まる」と述べたと伝わった。利下げを急がない考えも示し、FRBによる利下げが市場の想定より後にずれるとの観測は株式相場の重荷となっている。
半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)が18日に発表した2024年1〜3月期決算は売上高が市場予想を上回った。人工知能(AI)向けなど半導体の堅調な需要を映したと受け止められたが、18日の米株市場で半導体関連株の動きはさえず、インテルが売られている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も下げる場面がある。
ダウ平均の構成銘柄では、アメリカン・エキスプレスやスリーエム、JPモルガン・チェースが上昇している。半面、マイクロソフトとセールスフォースに売りが出ている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。
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