国連事務総長 対話通じて緊張緩和を訴え
イスラエル軍は、パレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマスへの攻撃を続ける一方、ハマスに連帯を示す隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で攻撃の応酬を続けています。
イスラエル軍が国境地帯での態勢を強化しているのに対し、ヒズボラの最高指導者はイスラエル北部への侵攻も辞さない考えを示したと伝えられるなど、事態のさらなる悪化が懸念されています。
これについて国連のグテーレス事務総長は21日、ニューヨークの国連本部で急きょ記者会見を開き、はじめに「あたかも全面戦争が差し迫っているかのような好戦的な主張が双方でエスカレートしている。中東で紛争が拡大するリスクは現実のものであり、回避しなければならない」と述べました。
そして「中東地域や世界の人々にとって、レバノンをもうひとつのガザにするわけにはいかない」とも述べ強い危機感を示しました。
その上でグテーレス事務総長は「軍事的な解決策はない。いまこそ当事者が外交的、政治的な手段を選ぶときだ」と述べ、双方に対話を通じて緊張を緩和するよう訴えました。
ガザ地区 厳しい暑さで衛生環境悪化か 病気の流行など懸念
イスラエル軍は21日もパレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマスへの攻撃を続け、南部ラファで戦闘員を殺害したなどと発表しました。
一方で、ガザ地区の保健当局はラファにある多くの住民がテント生活を送る地域が攻撃され、これまでに25人が死亡したとしています。
ガザ地区では21日に日中の気温が35度近くまであがるなど連日、厳しい暑さとなっていて、多くの住民が衛生環境の悪いテント生活を強いられています。
現地で支援にあたるWHO=世界保健機関は21日、下痢や発熱などの症状を訴える人が増えているとした上で、今後、暑さで食料が腐ったり水の汚染が進んだりして病気が流行するほか、熱中症になる人も増えると指摘しました。
また、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関も、感染症の流行を防ぐために清潔な飲み水を確保する必要があるとして、一刻も早い停戦を訴えています。
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