この指針は先月26日付けで、中国の最高裁判所にあたる「最高人民法院」や検察など、5つの司法部門が21日発表しました。

この中では、極めて少数のかたくなな「台湾独立」勢力を司法部門が総力をあげて処罰し、「国家主権と領土の一体性を断固守っていく」としています。

そして、台湾を中国から分裂させる目的で組織を立ち上げたり、組織を指導して国家の統一活動を破壊したりする行為を処罰するとしています。

さらに、台湾に関する規定の改正や住民投票などを通して、「台湾は中国の一部だ」という地位を変えようとした場合や、主権国家に限られる国際機関への台湾の加入を推進したり、他国と公式に往来したりして「2つの中国」をつくり出そうとした場合も処罰するとしています。

そのうえで、こうした活動を主導し国家と国民に著しい危害を及ぼした場合は死刑を言い渡すことができると定めています。

また被告が国外にいる場合でも、条件がそろえば、裁判を開くことができるとしています。

今回の指針が処罰の対象とした行為は、その多くが「1つの中国」の原則を認めない台湾の頼清徳政権が進める政策と一致しており、中国当局は、先月の頼総統の就任後に行った大規模な軍事演習に続いて、さらに圧力を強めようとしています。

台湾当局「われわれの国民に何の拘束力もない」

台湾当局で対中国政策を担当する大陸委員会は21日、コメントを発表し「北京当局に台湾の司法管轄権は全くなく、中国のいわゆる法律や規範はわれわれの国民に何の拘束力もない」と強調しました。

そして「北京当局のやり方は、台湾海峡の両岸で人々の対立を引き起こし、交流に著しい影響を及ぼすものでしかない」などとして「深い遺憾の意」を示しました。

その上で「中国の体制とわが国の自由で民主的な憲政体制との明らかな違いを浮き彫りにした」と指摘しています。

台湾の人たちに対しては「中国の脅しを受け入れてはならない」とする一方、中国への渡航はその必要性を慎重に検討するよう呼びかけています。

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