ロシアのプーチン大統領は14日、外務省で演説した=AP

ロシアのプーチン大統領は14日、ロシア外務省での演説でウクライナ侵略に触れ、同国との停戦の条件としてウクライナ東・南部4州からのウクライナ軍の撤退が必要と述べた。自国に優位な条件での停戦交渉を主張する狙いで、ウクライナの反発は必至とみられる。

ロシアメディアによるとプーチン氏は「ウクライナが(ロシアが併合した4州から)軍隊を撤退させ、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を放棄すれば、我々は即座に停戦し和平交渉を始める」と述べた。

ロシアは「住民投票」を経て22年秋に東部ドネツク州などウクライナ東・南部4州を一方的に併合した。ドネツク州や南部ザポロジエ州ではロシア軍が制圧地域の拡大に向けて戦闘を続けている。ロシア軍は5月、ウクライナが23年に奪還したザポロジエ州の集落ロボティネも掌握した。

ウクライナはNATO加盟を求めている。NATOは条件が整えば受け入れる方針だが、23年のNATO首脳会議では加盟時期は明示されなかった。

15日からスイスでウクライナ和平案を話し合う「世界平和サミット」が開幕する。ロシアは招待されていない。プーチン氏は平和サミットの開催を前に自国の主張をアピールし、ロシア抜きで議論を進める欧米諸国を威嚇する狙いもあるとみられる。

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