【NQNニューヨーク=川上純平】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比65ドル11セント(0.16%)安の3万8647ドル10セントで終えた。13日発表の米物価指標がインフレの鈍化を示した。米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げに転じるとの期待が高まった半面、米経済の減速も意識され、景気敏感株などに売りが出た。
13日発表の5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比で0.2%下落し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)に反してマイナスとなった。同日発表の週間の新規失業保険申請件数は市場予想を上回り、雇用の伸びが鈍化していることを示唆した。
市場では、一連の経済指標を受け「米景気が軟化している」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との見方が広がった。企業収益に悪影響が及ぶとの懸念が意識され、景気敏感株や消費関連株に売りが出やすかった。ダウ平均の構成銘柄ではボーイングやウォルト・ディズニー、キャタピラーが下げた。
ダウ平均は午前に下げ幅が300ドルを超える場面があったものの、主力株への売りが一巡した後は下げ幅を縮めた。インフレ圧力が弱まっているとの見方から、FRBが9月に利下げに動くとの観測が広がった。利下げが景気を支えると期待され、主力株への売りの勢いは限られた。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたのも米株相場を支えた。
セールスフォースやアマゾン・ドット・コム、インテルが下落した。半面、JPモルガン・チェースやユナイテッドヘルス・グループ、プロクター・アンド・ギャンブルは上昇した。
アップルは0.5%高で終えた。時価総額は終値でマイクロソフトを上回り、米国市場で首位となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比59.124ポイント(0.33%)高の1万7667.560で終え、連日で最高値を更新した。エヌビディアやブロードコムといった半導体株が上昇した。テスラも買われた。13日に開く株主総会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の巨額報酬案が承認されるとの観測が支えとなった。
多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は4日続伸し、前日比12.71ポイント(0.23%)高の5433.74で終えた。4日連続で最高値を更新した。
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