【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比120ドル62セント安の3万8747ドル42セント(速報値)で終えた。12日に5月の消費者物価指数(CPI)の発表と米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、持ち高調整の売りが優勢だった。半面、米長期金利の低下が支えとなり、ハイテク株を中心に買いが入った。

市場では、FOMCなどの重要イベントを前に「株式の持ち高を減らす動きが出やすかった」(CFRAのサム・ストーバル氏)。ダウ平均の構成銘柄では、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスといった金融株の下げが目立った。ボーイングやアメリカン・エキスプレスなども売られ、指数を押し下げた。ダウ平均の下げ幅は400ドルを超える場面があった。

午後になると、ダウ平均は下げ幅を縮めた。米財務省が実施した米10年物国債入札では、債券需要の強さを示した。米長期金利が前日終値(4.47%)を下回る4.39%まで低下する場面があった。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れるとの見方が支えとなった。

アップルは7%高となり、約6カ月ぶりに最高値を更新した。前日に次期基本ソフト(OS)に生成人工知能(AI)の機能を盛り込むことを発表し、一部のアナリストが高い評価を示したことが材料となった。そのほかでは、マイクロソフトとホーム・デポが上昇した。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比151.017ポイント高の1万7343.546(速報値)で終え、連日で最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も前日に続いて最高値となった。

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