ロシア国防省は11日、北方艦隊の原子力潜水艦や主力フリゲート艦などが大西洋で、高精度ミサイルの発射を想定した軍事演習を始めたと発表した。これらの艦船は12日に中南米のキューバに寄港する計画で、ウクライナに提供兵器でのロシア領攻撃を認めた米国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。

  • プーチン氏「ロシア経済は日本超え世界4位」 経済フォーラムで演説

 演習に参加したのは、核ミサイルが搭載できる原潜「カザン」と、極超音速ミサイル「ツィルコン」を搭載可能なフリゲート艦「アドミラル・ゴルシコフ」など。コンピューター上で、約600キロ離れた「敵艦」への攻撃訓練をする。

 訓練の詳しい位置は不明だが、ロシア海軍は参加した艦船などが12日から中南米のキューバに寄港すると明らかにしており、米国に近い海域の可能性がある。

 ロシアメディアによると、キューバのハバナ港に寄港するのは両艦のほか補給艦など計4隻。両国の国際協力と長距離航海の任務の一環としており、17日までの予定だという。

 AP通信によると、キューバ外務省は「どの艦船も核兵器を搭載しておらず、地域の脅威にはならない」としている。米政府高官は、米国のウクライナ支援に対するロシアの牽制だとする一方、懸念する事態ではないとの見方を示した。

 社会主義体制のキューバは米フロリダ州から約200キロの位置にあり、旧ソ連時代からロシアとの関係が深い。1962年にはソ連がひそかに核ミサイル配備を進めて「キューバ危機」が起き、米ソの核戦争寸前まで進んだとされている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。