ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=矢内純一】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落して始まり、午前9時35分現在は前週末比101ドル34セント安の3万8697ドル65セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期を巡る不透明感から米長期金利が上昇し、株式相場の重荷となっている。週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表などの重要イベントを控え、持ち高調整の売りも出ている。

10日朝の米債券市場では、長期金利が前週末終値(4.43%)を上回る4.46%を付ける場面があった。前週末発表の5月の米雇用統計で雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、FRBが利下げの判断に慎重になるとの見方につながった。長期金利の上昇で株式の相対的な割高感が強まるとみた売りが出ている。

今週は12日に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表になる。同日にはFRBがFOMCの結果を公表する。政策金利の据え置きを決めるとみられている。併せて公表になるFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)に注目が集まっており、2024年中の利下げ予想が前回3月時点(3回)から減るとの見方が多い。CPIやFOMCの結果を前に持ち高を減らす動きが出ている。

主力銘柄への売りが一巡した後、ダウ平均は下げ幅を縮め、上昇に転じる場面がある。アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートが高い。別のアナリストが投資判断を上げたハネウェル・インターナショナルも上昇し、ダウ平均を支えている。

そのほかの個別では、インテルやビザが下げている。一方、ホーム・デポやマイクロソフト、ボーイングが買われている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落して始まった。アナリストが投資判断を引き下げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げている。この日から株式分割後の株価で取引が始まったエヌビディアも小幅に下落している。

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