マクロン仏大統領㊨はウクライナのゼレンスキー大統領と会談した(パリ、7日)=AP

【パリ=北松円香】フランスのマクロン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は7日、パリで会談した。マクロン氏は会談後の記者共同会見で、フランスを含む「複数国による連合」がウクライナへの兵士の訓練要員派遣を実施すると述べた。

訓練要員派遣は「すでに複数国が了承しており、フランス単独の実施にはならない」という。「今後数日のうちに、なるべく多くの国が参加する連合について最終調整する」と説明した。

マクロン氏によると、派遣はウクライナからの要請を受けて検討したという。「ウクライナは今後数万人の新兵を訓練する必要がある。条件によっては現地で訓練する方がずっと効率的で、要請は正当なものだ」と重要性を強調した。

同時に「フランスはロシアと戦争をしておらず、対立激化も望まない点は変わらない。前線に兵士を送るわけではなく、対立激化にはつながらない」と主張した。

ゼレンスキー氏は「マクロン大統領のイニシアチブを支持する」と述べた。同日に会談した米国のバイデン大統領については「我々によく耳を傾けてくれた」と述べたが、派遣に関する米国の意向は明らかにしなかった。

マクロン氏はロシアが拘束した仏国籍の男性の早期解放を訴えた。ロシアの行動は「プロパガンダ」であり「(侵略の)当初から、ウクライナを支援させないために我々を威嚇してきた」と指摘した。

マクロン氏は2月下旬にパリで開催したウクライナ支援会議の後、初めてウクライナへの派兵の可能性について言及した。当初は米欧各国が相次ぎ否定したが、ウクライナの劣勢を受けて再び議論が活発になっていた。

この日は仏側が先だって明らかにしていたインフラ再建のための追加支援で両国が正式合意したほか、民生用の原子力利用に関する協力も決まった。

またゼレンスキー氏の立ち会いのもと、独仏防衛企業KNDSがウクライナ拠点開設を正式に公表した。KNDSは仏などが供与した自走式りゅう弾砲「カエサル」の現地でのメンテナンスや交換部品生産、155ミリ砲弾の生産でウクライナ企業と合意した。

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