約1カ月半に及んだインド総選挙(下院、543議席)で与党連合が過半数の議席を維持したとの発表を受けて、モディ首相は4日夜、「国民は我々に全幅の信頼を寄せた」と述べ、勝利を宣言した。一方、野党の共闘を前に苦戦を強いられた地域もあり、前回選挙よりも議席は大幅に減少した。求心力の低下も懸念される。
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与党インド人民党(BJP)を率いるモディ氏は、大勢の支持者が詰めかけた首都ニューデリーの本部で演説。「2期を終えた政権が3度目も返り咲くのは、1962年以来初めてのことだ」と勝利の意義を強調し、首相として3期目を務める意欲を示した。
モディ政権下で少数派の保護や報道の自由が侵害されているとの声もあるが、「今日の勝利は、世界最大の民主主義国家の勝利である」と訴えた。
地元誌インディア・トゥデーによると、前回303議席を獲得したBJPは240議席にとどまり、与党連合でも292議席で、かろうじて過半数を維持した。
一方、前回は52議席だった最大野党国民会議派は、今回は99議席と善戦した。共闘した他の地域政党などと合わせて、234議席となった。
4日夕、国民会議派の本部は祝賀ムードに包まれ、幹部らが事務所に入ると数百人の支持者が出迎えた。カルゲ総裁は開票結果を受けて、「インフレや失業、農民や労働者の劣悪な状況、憲法制度の悪用といった問題を国民に訴えてきた。我々の戦いはまだ終わっていない」と訴えた。(ニューデリー=石原孝、武石英史郎)
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