■クラウディア・シェインバウム氏(61歳)
メキシコ大統領選で、女性として初めて当選を果たしたクラウディア・シェインバウム氏(61)。ロペスオブラドール大統領の側近だが、どのような経歴の持ち主なのか。
10年ほど前までは、政治より学術の世界での有名人だった。
両親とも科学者の家庭に生まれ、名門メキシコ国立自治大学へ。物理学で修士号、環境工学で博士号を取得した。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)に参加し、2007年にノーベル平和賞を受賞した際のメンバーでもある。
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政界での師は、18年から大統領を務めてきたロペスオブラドール氏だ。同氏が首都メキシコ市長を務めていた00年、市の環境局長に登用された。以来、常に行動を共にしている。
ロペスオブラドール氏は既存政治からの脱却を目指して新党を作り、3度目の挑戦で大統領の座に上り詰めた。貧困層を中心に今も絶大な人気を誇る「カリスマ」だ。今回の大統領選では、その政治的遺産を最大限に生かした。多くの政策を踏襲すると訴え、引き継いだ支持層の結束につなげた。
メディアの取材に対しては「私はロペスオブラドールではない」と強調する。メキシコ市長時代には、新型コロナウイルスを軽視して多くの死者を出したロペスオブラドール政権と異なり、マスクの着用を強く求めた。だが「操り人形」になるとの見方も根強く、独自色を打ち出せるかに注目が集まる。
祖父母は東欧からのユダヤ系移民で、自らもユダヤ教の家庭で育った。一方でAP通信や地元メディアによると、本人は「ユダヤ教徒」であることを公言していない。離婚した前夫との間に娘がいる。現在のパートナーは学生時代にも交際していた物理学者。(サンパウロ=軽部理人)
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