1日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議の会場を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領(中央)=ロイター

【キーウ=共同】ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は1日、ロシア軍が5月31日夜から6月1日にかけて、5州のエネルギー施設に対して大規模な攻撃を仕掛けたと明らかにした。ウクライナ軍によると、ミサイル53発と無人機47機が使われた。

攻撃を受けたのは西部イワノフランキフスク、中部キロボフラード、東部のドニエプロペトロフスクとドネツク、南部ザポロジエの各州。ロイター通信によると、3月以降、電力施設への大規模攻撃は6回目。西部リビウ州でも3カ所のインフラ施設が攻撃を受け、4人が負傷した。

ゼレンスキー大統領は「ロシアの目的は防空態勢の不足を突いたテロの常態化だ」と通信アプリに投稿し、欧米に支援を求めた。

ウクライナメディアによると、同国海軍は5月31日、ロシアが支配するクリミア半島の対岸にあるロシア南部クラスノダール地方の石油施設やフェリー乗り場を巡航ミサイルで攻撃した。

30日夜にはウクライナ保安局(SBU)の無人機がクリミア半島の防空レーダーシステムを破壊した。兵たん拠点としてのクリミアの弱体化を目的とした「数日間に及ぶ作戦」という。

英国防省は5月31日、2022年2月の侵攻開始以降、ロシア軍の死傷者が50万人に達したとみられるとの分析を明らかにした。今年に入って損失は高水準で続き、5月の1日当たりの平均死傷者数は1200人と、侵攻開始以降で最多となったとしている。

SBUは31日、ロシアとの捕虜交換の一環で、ウクライナ人兵士ら75人が解放されたと発表した。国営通信社ウクルインフォルムによると、これまでに3210人が帰還した。

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