工事が中断したままのマンションの建設現場(2月、北京)=共同

中国国家統計局が16日発表した1〜3月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比5.3%増えた。2023年10〜12月の5.2%から加速した。生産や投資が堅調で景気を下支えした。

1〜3月の前年同期比増加率は日本経済新聞社と日経QUICKニュースが調べた市場予測の平均(4.5%)を上回った。

季節要因をならした前期比での伸び率は1.6%と、23年10〜12月(1.2%)から加速した。先進国のように前期比伸び率を年率換算した成長率は6.6%程度となる。

生活実感に近い名目GDPは前年同期から4.0%拡大した。23年10〜12月の増加率は3.7%だった。

16日はGDPと同時に他の統計も公表した。1〜3月の生産は6.1%増えた。3月単月では前年同月比4.5%増だった。電気自動車(EV)向けの充電設備や3Dプリンター設備、電子部品は4割程度増えた。

マンションや工場などの固定資産投資は1〜3月に4.5%伸びた。このうち民間投資は0.5%増えた。不動産市場はさえない状況が続く。1〜3月の開発投資は9.5%減少した。新築の販売面積も19.4%減となった。

百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売などを合計した社会消費小売総額(小売売上高)は3月、前年同月比3.1%増だった。全体の1割を占める飲食店の収入は6.9%増だった。1〜3月の小売売上高は前年同期比4.7%増加した。

外需も経済成長の押し上げ要因となった。1〜3月の輸出(ドル建て)は前年同期を1.5%上回った。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は前年同期比で2.0%増えた。

中国政府が24年の成長率目標として掲げる「5%前後」を上回る水準だった。アジア開発銀行(ADB)が11日公表した予測によると、中国の成長率は23年の5.2%から24年は4.8%に伸び悩む。不動産市況の低迷が長引き、民間投資が頭打ちになると指摘した。

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