イランのライシ大統領のヘリコプターが墜落した原因を調べている同国の参謀本部は23日、調査の初期報告書を公表した。ヘリの残骸に弾丸などで攻撃されたことを示す形跡はなく、墜落前の搭乗員と管制塔の交信内容にも不審な点はみられなかったという。

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 国営放送が伝えた報告書の内容によると、ライシ師のヘリは墜落するまで、予定された経路を飛行していた。墜落の1分半前には、操縦士が同行していたほかのヘリと交信していたという。

 ヘリは墜落後に炎上。イラン当局はドローン(無人機)などを使って墜落位置を特定したという。

 報告書は最終的な原因には言及していない。参謀本部は引き続き調査を続けているとし、「確定的な見解を出すには時間を要する」としている。

 参謀本部の高官でつくる調査団は墜落の翌20日、北西部の東アゼルバイジャン州の現場に到着し、原因を調べていた。

 参謀本部は、イランの軍と革命防衛隊を束ねる組織。原因をめぐっては天候の急変や機体の不具合、操縦ミスなど、様々な見方が国内で語られている。(佐藤達弥)

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